大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)146 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人上村千一郎、同酒井祝成の上告理由第一点の(1)について。

原判決は、第一審証人D、同Eの各証言により所論乙第一号証(記録によれば、

同号証は証明書と題する書面で、その作成名義は訴外F鉱業株式会社取締役社長E

となつていることが明らかである)の成立を認めているが、一方右各証人の証言中

乙第一号証の所論記載に一致する部分をいずれも措信し難いとして排斥している。

されば、原審は、乙第一号証を真正に成立したものと認めたに拘らず、所論記載部

分は真実に合致しないものと判断した趣旨であることが判文上おのずから窺われる

のであつて、原判決には所論のような違法はない。

同じく(2)について。

原判決が、訴外F鉱業株式会社において訴外G相互銀行から、本件六通の手形を

買戻した旨認定判示している以上、これと相容れない上告人の所論主張が排斥され

たものであることは論をまたない。

また、訴外F鉱業株式会社が右の如く手形を買戻したと認められる以上、右買戻

資金の融通を何人に仰いだかを問わず、同訴外会社がその所持人たるべきこと当然

であるから、右資金融通関係について必ずしも判示を要しない。

所論は、以上と異る独自の見解に立脚するものであつて、採ることを得ない。

同じく(3)について。

原判決は、本件各手形が拒絶証書作成期間経過後訴外F鉱業株式会社より被上告

会社に譲渡せられた事実を認定した上、右各手形の裏書欄に同訴外会社名義の被上

告会社に対する裏書があり且つその日付が右拒絶証書作成期間経過前の日付となつ

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ているのは、右譲受後被上告会社が同訴外会社名義の白地裏書に被裏書人として被

上告会社及び日付をそれぞれ補充したにすぎず、真実右日付の日に裏書譲渡が行わ

れたものではないと判示しているのであつて、被上告会社の右補充に何らかの法律

上の効果を認めているわけではない。されば、補充権の有無等につき釈明ないし判

断をする必要のないことは明らかであつて、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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